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法定調書の概要と主な書類そのほか

法定調書の概要と主な書類

年末になると年末調整とともに処理に追われる重要な作業の一つが「法定調書」の作成と提出だと思います。
しかし、一般の会社員や、起業したばかりの経営者の中には「法定調書」と聞いてもピンとこない人も多いはず。
そこで、今回は法定調書とはどういった書類でどういうものがあるのか、大まかな概要と主な書類について解説したいと思います。

法定調書とは

法定調書とは、所得税法や相続税法上、税務署が適正な課税を確保することを目的に提出を義務付けている書類を言います。
簡単に言うと、法定調書はお金の支払いがあった場合に、支払った側がその事実をを税務署に届出ることで、税務署が支払時期や金額を把握し、適正に課税を行うための書類といえます。
法定調書は一種類の書類を指すのではなく、40種類以上の書類を総括して法定調書と呼びます。

提出期限

法定調書の提出期限は、原則として翌年の1月31日となってます。
つまり、平成28年のいずれかの日に支払いがあったならば、平成29年の1月31日までに税務署に提出しなければいけません。

法定調書の主な種類

法定調書は先に述べたとおり、40種類以上の書類があります。そのすべてを紹介することはできませんので、比較的多くの人が提出する2つの書類を紹介します。

1)給与所得の源泉徴収票

給与所得の源泉徴収票は給与を支払う者は必ず作成しなければいけないものです。
正確には、その年に俸給、給料、賃金、歳費、賞与、その他これらの性質を有する給与を支払った者です。
年末調整をした場合は次の場合、対象となります。

  1. 法人の役員で、給与等の支払いが150万円を超える場合
  2. 弁護士、司法書士、税理士などで、給与等の支払いが250万円を超える場合
  3. 上記1.2.以外で、給与等の支払いが500万円を超える場合
2)報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

フリーランスの方などは原稿料や作業に対する報酬を受け取ることも多いと思います。このような場合に作成されるのが、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」です。
提出義務者は外交員報酬、税理士報酬など報酬、料金、契約金および賞金の支払をする者です。
以下の場合が対象になります。

  1. 外交員、集金人、電力量計の検診人及びプロボクサーの報酬で、50万円を超える場合
  2. バー・キャバレー等のホステス、コンパニオン等の報酬で、50万円を超える場合
  3. 広告宣伝のための賞金で、50万円を超える場合
  4. 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬で、50万円を超える場合
  5. 馬主が受ける賞金で、75万円を超える場合
  6. プロ野球選手等その他の者が受ける報酬で、5万円を超える場合

 

これらの書類は提出期限までに所轄の税務署に提出します。
その際には、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」をあわせて提出します。

まとめ

法定調書は上記以外にも、「退職所得の源泉徴収票」、「不動産の使用料の支払調書」など、多様であり、お金の支払が生じた場合に必ずと言ってもいいほど提出が必要となります。
法定調書の提出が適正に行われなかった場合、税務署が「お尋ね」という問い合わせの文書を送付するか、あるいは、税務調査をして確認することになります。そういった面倒なことにならないように法定調書の作成・提出は確実に行いましょう。
法定調書のことでお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。

税務・会計に関するお問合わせは趙会計事務所まで

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