交際費の損金算入限度額 – 法人税税・法人税
法人税の計算において、交際費等に該当する金額は原則として損金の額に含めることができません。
しかし、租税特別措置法により一定の限度額に至るまでの金額は損金の額に算入することが認められています。
今回は、その交際費等の「損金算入限度額」について紹介します。
中小法人の限度額
中小法人とは、期末の資本金の額又は出資金の額が1億円以下である法人をいいます。
中小法人の場合、次のいずれか大きい金額を損金算入の限度額とします。
1. 接待飲食費の額の50%相当額
2. 年間800万円
1.は交際費等の額のうち「接待飲食費」の額に該当する額を抜き出して計算します。
(1人当たり5,000円以下の飲食費は交際費等の額及び接待飲食費の額に含まれません。)
接待飲食費の範囲についてはこちらをご参照ください。
2.の金額は正確には、800万円に該当事業年度の月数を乗じ、これを12で除して計算した金額です。
つまり設立初年度等で事業年度の月数が12ヶ月未満である場合は、その月数で800万円を案分します。
例えば該当事業年度の月数が9ヶ月の場合、800万円×9/12=600万円となります。
この800万円を一般に「定額控除限度額」と言います。
上記以外の法人(大法人)
期末の資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人の場合は上記2.は適用されず、上記1.の接待飲食費の額の50%相当額が限度額となります。
具体例
(例1) 期末資本金1億円、交際費等の合計額2,500万円、接待飲食費の額2,000万円の法人の場合。
(1) 限度額
① 接待飲食費
2,000万円 × 50% = 1,000万円
② 定額控除限度額
800万円 × 12/12=800万円
③ ① > ② ∴1,000万円
(2) 損金不算入額
2,500万円 – 1,000万円 = 1,500万円
(例2) 期末資本金1億円、交際費等の合計額2,000万円、接待飲食費の額1,400万円の法人の場合。
(1) 限度額
① 接待飲食費
1,400万円 × 50% = 700万円
② 定額控除限度額
800万円 × 12/12=800万円
③ ① < ② ∴800万円
(2) 損金不算入額
2,000万円 – 800万円 = 1,200万円
(例3) 期末資本金2億円、交際費等の合計額4,000万円、接待飲食費の額3,000万円の法人の場合。
(1) 限度額
3,000万円 × 50% = 1,500万円 ∴1,500万円
(2) 損金不算入額
4,000万円 – 1,500万円 = 2,500万円