個別対応方式とは税・消費税
前回、消費税の課税売上割合について解説しました。
課税売上割合は総売上高の内、課税売上に該当する売上の割合を求めたもので、この割合が95%未満の場合は「個別対応方式」又は「一括比例配分方式」のいずれか有利な方法により消費税額を計算します。
今回はこの「個別対応方式」について解説します。
課税売上割合について
個別対応方式とは
個別対応方式とは、課税期間中の全ての仕入れに係る消費税額を売上高との対応関係を基に区分し計算する方法です。
具体的には課税期間中の課税仕入高を以下の三つに区分します。
- 1.課税売上のみ対応するもの
- 仕入など直接売上に対応するもので、全額控除することができます。
- 2.課税売上と非課税売上の両方に対応するもの
- 水道代や家賃などの費用で、課税売上割合分の控除が可能です。
- 3.非課税売上のみ対応するもの
- 土地を売却した時の手数料などで、全額控除できません。
計算例
売上高2,160,000円、仕入高1,080,000円、水道光熱費54,000円、土地売却手数料43,200円
課税売上割合60%の場合(便宜上端数処理は行いません。)
1.課税売上に係る消費税額 2,160,000円×8/108=160,000円
2.仕入れに係る消費税額
①仕入高の消費税額は課税売上にのみ対応するので全額控除 1,080,000円×8/108=80,000円
②水道焦熱費の消費税は課税売上割合分(60%)のみ控除 54,000円×8/108×60%=2,400円
③土地売却手数料は非課税売上にのみ対応するため控除不可 0円
④ ①+②+③=82,400円
3.納付税額 1.(160,000円)-2.(82,400円)=77,600円