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青色申告制度について‐申請手続とメリット‐そのほか

青色申告制度について

日本では、事業者が法人税又は所得税を計算して申告する際に、「青色申告」及び「白色申告」の二つの方法が認められています。
青色申告制度は、一定水準の記帳を行い、その記帳に基づいて正しく申告することで所得金額の計算などについて有利な取り扱いが受けられる制度です。
ここでは青色申告の申請手続と、青色申告のメリットについて解説します。

青色申告の申請手続

青色申告で確定申告を行うには、あらかじめ定められた期間内に「青色申告の承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。

提出期限

1)法人

原則:青色申告によって申告書を提出しようとする事業年度開始の日
新規:設立から3月が過ぎる日の前日、つまり3ヶ月以内
(注:当該事業年度終了の日が先に来る場合は当該事業年度終了の日をもって期限となる。)

2)個人事業主

原則:青色申告によって申告書を提出しようとする年の3月15日まで
新規:事業を開始した日から2ヵ月以内

この提出期限を一日でも逃した場合、当該事業年度は青色申告により申告を行うことができなくなり、青色申告によるメリットを受けることができなくなります。
青色申告の申請に関して特に問題となるのが、新たに事業を開始した場合です。
新たに事業を開始した場合は、特定の顧問税理士の不在、その他業務による多忙さ、知識・経験不足などの理由で青色申告の申請期限を逃す傾向がときおり見られます。

事例1:起業したけどその後の手続きがわからない

当事務所では起業から確定申告まで経営者のみなさまを総括的にしっかりサポートいたします!
法人の設立、事業の開始後の手続きでご不明な点がございましたら、まずはお気軽にご相談ください。

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青色申告のメリット

法人の場合

1)欠損金の繰り越し

青色申告を適用した場合、ある事業年度に発生した欠損金を9年間繰り越すことができます。(法改正により平成29年4月1日以降開始の事業年度において発生した欠損金の繰越は10年間繰り越し可能)
欠損金の繰り越しとは、ある事業年度に発生した欠損金、つまり赤字の額を翌期以降に生じた所得、つまり黒字の額から控除できるという特典です。
これにより、欠損金が発生した年度の税金が生じないのはもちろんのことですが、翌期以降の税金の額も抑えることができます。

2)欠損金の繰り戻し還付

欠損金の繰越控除とは逆に、黒字で法人税を支払った翌期に赤字となった場合、その赤字を前期に繰り戻して法人税を還付できる制度です。繰り戻しできる期間は前1年間のみで、資本金1億円以下の中小企業のみが適用することができます。

3)資産の一括経費計上

通常、10万円を超える資産(備品等)を取得した場合には取得金額を既定の年数により分配して経費に計上します。しかし、青色申告を適用した場合は、30万円未満の資産は年間合計300万円まで、その年の経費として一括計上することができます。

4)特別償却・特別控除

会社が一定の設備投資や人材投資を行った場合に、減価償却費を通常より多く計上できる特別償却や、法人税を一定額控除する特別控除が認められています。資本金1億円以下の中小企業が一定の新品機械を購入した場合、取得価額の30%を通常の減価償却に加え、特別償却し費用を多く計上することが出来ます。
資本金が3,000万円以下の中小企業は特別償却せずに、取得価額の7%相当の税額を控除し、法人税を少なくする特別控除を選択することもできます。他にも試験研究費の税額控除、エネルギー環境負荷低減推進設備等の特別償却・税額控除、雇用促進税制等、様々な制度があります。

個人事業主の場合

1)青色申告特別控除

所得に係わる取引を複式簿記により記帳し、貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付して期限内に確定申告を行った場合は、所得から最大65万円を控除することができます。また、簡易簿記により記帳している場合は最大10万円の控除が可能です。

2)専従者給与の経費計上

専従者とは同居または生計を一にしている15歳以上の配偶者や親、祖父母、子供などの中で事業主の業務に一定期間以上従事している者を示します。青色申告を適用する場合、これらの専従者に支払われる給与を全額必要経費として計上することができます。
(※白色申告の場合は、配偶者は86万円、その他の親族は一人につき50万円に限る)

3)純損失の繰り越し

青色申告を適用した場合、ある事業年度に発生した欠損金を3年間繰り越すことができます。
純損失の繰り越しとは、ある事業年度に発生した純損失、つまり赤字の額を翌期以降に生じた所得、つまり黒字の額から控除できるという特典です。これにより、純損失が発生した年度の税金が生じないのはもちろんのことですが、翌期以降の税金の額も抑えることができます。

4)純損失の繰り戻し還付

純損失の繰越控除とは逆に、黒字で所得税を支払った翌期に赤字となった場合、その赤字を前期に繰り戻して所得税を還付できる制度です。

5)貸倒引当金の経費計上

売掛金,貸付金などの貸金の貸倒れによる損失の見込み額として、年末における貸金の合計額の55%以下の金額を貸倒引当金として繰り入れた場合、その全額が必要経費として認められます。

まとめ

青色申告制度を活用することは事業経営にとって大きなアドバンテージとなることは間違いないでしょう。
しかし、青色申告は先に申し上げたと通り、申請・記帳・申告などの面で白色申告よりも手間と専門的な知識を要します。せっかく青色申告を適用してもうまく活用できなくては意味がありません。
青色申告の手続きに気を取られ、本来の事業がおろそかになったり、余計な費用や時間を取られてしまっては本末転倒です。
青色申告制度を賢く利用し、さらなる事業のステップアップを目指す経営者のみなさま、ぜひ一度当事務所にご相談ください。
当事務所は法人設立の相談から税務処理、経営支援まで、経営者の立場に立ってしっかりサポートいたします。
まずはお気軽にお問合せ下さい。

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